Technology(技術)

人類初のハイパーループの有人走行実験に成功

11月8日、Virgin Hyperloop社は、人類初のハイパーループの有人走行実験に成功した、と自社の公式HPで発表した。

ハイパーループとは、米国のテスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏が2013年に考案したもので、
ほぼ空気のないチューブ内において、ポッド(車両)を空気圧と磁気浮上により推進させ、理論上では最大760mph(1223 km/h)の速度で移動できる未来の乗り物だ。
空気抵抗が極めて小さく、浮上して摩擦が発生しないため、地上を時速1000kmを超える飛行機並みの速度で移動可能だ。
マスク氏によれば、「ロサンゼルスーサンフランシスコ間が1時間以内で移動できる」とのこと。
しかし、マスク氏が多忙すぎて実現する時間がないため、ハイパーループの技術ノウハウを無償で公開し、「誰かに実現してほしい」と発表した。
そこで、これを受け、Virgin Hyperloop社などが実現に向けて開発を進めている。

Image credit : Virgin Hyperloop

今回の有人走行実験は、ラスベガス郊外の総長500メートルのテストチューブで試験車両(XP-2)を用いて行われた。

試験車両(XP-2)
Image credit : Virgin Hyperloop


同社は、これまでに無人の走行実験を400回以上繰り返してきた。
有人走行実験は、乗客が乗車した後、チューブ内の空気を除去してエアロックがされた。
その後、試験車両は500mのチューブ内を15秒ほどで走りきり、最高時速は107mph(172km/h)だったとのこと。

以下が、有人走行実験の様子である。

有人走行実験の様子
Movie by Youtube (Virgin Hyperloop)


その後、初の搭乗者は感想を聞かれ「思ったよりスムーズだった。スポーツカーの加速とそれほど変わらない。」とコメントし、安全性に問題がなかったことを強調した。

同社によると、今回の有人走行実験は大成功だったという。

なお、テストチューブは500メートルしかないため、現時点での最高速度は387キロとのこと。
Virgin Hyperloopは、十分な長さのチューブを建設すれれば、最終的に時速670mph(1143km/h)の実験が可能であると予測している。
そして、実際に実用化される場合、大型化して最大28人乗りを予定しているのこと。

一方で今年7月、アメリカ運輸省と新規交通テクノロジー委員会(NETT)は、米国内でハイパーループを建設する際の規制枠組みを発表している。
規制枠組みが発表されたことにより、米国内でのハイパーループの建設がさらに現実味を帯びると同時に、連邦政府からの融資の対象になる可能性が浮上している。
バイデン新政権は、総額2兆ドル(210兆円)の環境政策を予定しているため、従来の鉄道・航空機よりも低公害・低コストの移動手段としてハイパーループ建設が始める可能性もある。

2020年現在、日本のリニアモーターカーは25年の開発期間(1962~1987年)を経てから、有人走行実験を行った。そして、2027年頃に開業する予定(営業速度500km/h)だったか、工事が遅延しているため、開業が遅れる可能性が浮上している。

一方で、2013年にイーロン・マスクが考案したハイパーループは、構想から僅か7年で有人による試験運転を開始した。


この開発ペース差で進むと、2027年頃にはアメリカのどこかで時速1000km/h越えのハイパーループが営業開始しているかもしれない。

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