Science(科学)

月に「水」があることを発見

NASAは、月面に「水」が存在することを初めて発見したと10月27日にNASAの公式HPで発表した。

具体的には、成層圏赤外線天文台(SOFIA)が、月の南半球にあるクレーターの1つであるクラビウスクレーターの土壌中で水分子(H2O)を検出したとのこと。

なお、SOFIAとは、世界最大の「空中天文台」であり、大気中を高く飛ぶ航空機(改良型ボーイング747型機)だ。SOFIAは、不明瞭にする大気中の水蒸気の99%を超えて高く飛行し、赤外線波長で観測し、可視光では見ることができない現象も検出できる。

SOFIA
Image by Wikipedia

そして、SOFIAは、このクラビスクレーターにおいて、月面の土壌中に1立方メートルあたりで100〜412ppmの濃度の水が存在することを確認したとのこと。これは土壌1トンあたり1杯の水に相当する。
そして、この発見は、水が月面全体に分布している可能性も示しているとのこと。

クラビスクレーター
Image by Wikipedia

なお、この水が土壌中(レゴリス中)にどのような状態で含まれるかについては、2つの説があるとのこと。

1つ目の説は、微小な隕石の衝突時による高熱などで生成された水がガラスの結晶の中に閉じ込められている説だ。
具体的には、微小隕石が月に衝突すると、月の物質が溶けて急速に冷えてガラスを形成する。そして、衝突中に形成された水がガラスの構造に取り込まれる可能性があるとのこと。

2つ目の説は、水が土壌の粒子の間に存在し、日光から保護されている説だ。
具体的には、月の北極と南極などの高緯度の日光が恒久的に当たらない-163℃以下の領域(コールドトラップ)において、水が氷の岩のように存在する可能性があるとのこと。
そして、このコールドトラップは、月に40000平方キロメートルもある可能性があるとのこと。

なお、1つ目の説についてはこちらの論文で、2つ目の説についてはこちらの論文で、10月26日にnature astronomyにおいて詳細が公表されている。

また、これらの説については、NASA’s Ames Research CenterもYouTube動画において簡単に解説している。

Movie by YouTube (NASA’s Ames Research Center)

なお、これらの説の立証については、NASAが2022年12月以降に月面投入を予定しているVIPER(水氷の位置と濃度にクローズアップして探査する移動ロボット)で検証予定とのこと。

そして、論文執筆者のヘインは、

「この発見は、飲料水やロケット燃料など、NASAが水を必要とする全てのものにアクセスしやすくなるだろう」と語っている。

NASAは、2024年までに最初の女性を月に着陸させて月面探索を行い、2028年までに月面基地の建設を開始する「アルテミス計画」を予定している。

そして、この発見は、この月面基地の建設に大きな役割を果たす可能性がある。


論文執筆者も触れているように、月に水源があれば、その水を飲料水作物の栽培に利用でき、その水を電気分解してロケット燃料(水素と酸素)を得ることもでき、人が呼吸する酸素など、これらの現地調達が可能になる

この発見により、SF小説でしか見たことが無かった「月面移住」が少し現実味を帯びてきたかもしれない。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。